生徒の成績が劇的に伸びた事例

5教科100点⇒250点に

大学時代の塾講師体験より

僕は大学時代、アルバイトばかりしていました。なぜならお金が無かったからです。我が家の家訓、「生き方は自由に、責任は自分で」を守り、大学費用はぜ~んぶ自腹。

結果大学院までの6年間で、酷い時は週8回(掛け持ち)、のべ3000時間以上は塾で働くことになりました。その中で、非常に優秀な生徒もいれば、もはややる気のかけらも無い生徒もいました。

今回は、全くできなかった生徒が普通になった話。

対話が大事

親のプレッシャー

その子は当時中学3年生。とても暗く、何も分からないと言ってすぐに投げだす。特徴的だったのは、自分の爪をシャーペンでグリグリ黒く塗る癖があった。今思えば、自傷行為の1つだったのだろう。テスト結果は5教科で100点を切る。塾長も、困り果てていた。

聞けば、親が開業医をしており、親としては医学系に進ませたいものの、この成績である。上に兄弟がいて、そちらはそれなりに優秀。こうなるともう、なんとなく家庭環境は想像がつく。

対話

その頃はたしか、自分は大学4年生だったか。割とそれなりに経験値も積んでいた。このままでは授業にならないので、僕が取った行動は、授業の大半を会話することだった。

1時間のうち、45分位は、どうでもいい話をして、区切りが付いたらワークをやる。この繰り返し。そのうち変化が訪れた。自分から話しかけるようになってきたのだ。表情も明るくなり、いつの間にか自傷行為も無くなった。

しばらくすると、30分位は勉強するようになってきて、きちんと宿題をするようにもなってきた。そして迎えた期末試験。なんと、250点も取って来たのだ。特に何も教えていない身としては、ビックリしたことを覚えている。だから今でも、覚えている。

結論

結局のところ、成績なんてのは生徒の気持ちに大いに左右されるのだと思った。もちろん、自分で考え、行動できる人もいるだろう。実際、自分にはそれができる。しかし、大半の学生は、というか人間はそうではない。

では、どうすればいいか。「ついでに勉強してやるかぁ~」と思わせればいいのではないか。あの先生が好きだから、塾に行ったら楽しいから、そんな風に考え出せば、子供は勝手に勉強しだすと思う。

「勉強しなさい!」「勉強しないと将来・・・!」みたいな台詞を言い続けて、それで結果が出たためしがあっただろうか?世の中の多くの先生、保護者には、是非見直してみて欲しいと思うのであった。