前回は揺れるテンポでショパンのバラードでした。今日は一度は耳にしたあの曲です。僕はこの作曲家の鍵盤音楽が非常に嫌いです。全く面白くない。最低最悪。スカルラッティの555のソナタの方が練習曲と言いながらも楽しいし、同じように練習曲の位置付けの「インベンションとシンフォニア」の方が深くて美しいと感じます。お待たせしました。モーツアルトソナタK.331 Rond alla Turca です。
天才と言われる演奏家はどの時代にも生まれています。その一人、グレン・グールドです。彼は記録上はモーツァルトがだいぶ嫌いなようですが、その反対の側面もあるようなのです。そんな対談があります。嫌いであったとしても、ソナタ全曲録音をしているのです!
モーツァルトのトルコ行進曲というと、その演奏の多くがやたらと早くかっ飛ばす感じのものが普通です。小学校の給食の時間に素敵な音楽ですよというもので、流されていましたが、あまりにもカッコ悪く感じていました。なんてカッコ悪い曲なんだろうと。僕の中で「クラシックダサい」を印象付けた代名詞でした。それ以来、モーツァルトという作曲家は避け続けてきたのですが、あ、でも一応バレンボイムのモーツァルトソナタ全集は持ってます。ろくに聞いてないけれども。
そのモーツァルトを覆したのが、バッハ弾きといったらこのかた、グレン・グールドです。全集を買ってモーツァルトを聴いたら…
すごい!カッコいい。そしてあのトルコ行進曲は…
という具合です。グールドのモーツァルトで始めてモーツァルトがわかりました。