月末はオンガク11

3月の後半は急上昇と急下降をしていたせいでで気分も体調もすぐれないので、久しぶりにピアノの練習をしてみようと思いました。右手と左手、本当なら音をよく聞いてこう弾きたいと言うのも付け加えますが、電子ピアノなのでそこはごあいきょうと言いながらも考えなが練習してます。両手、譜読み、音楽構成なんてことを考えながら(ピアノの上手い方がなさってるようなことはできませんが)練習していると没頭して、精神衛生上いいですね。弾けるようになっていく感じと、こういう風に弾きたいと考えていたら余計なことなんて考えられなくなります。ただ、問題なのは時間を忘れることです。沖縄に来てから1曲も仕上げていないので、今年はこれをしっかり弾けるようにしておこうと思います。それにしてもしばらくまともにピアノに触っていなかったので、レパートリーも無くなってしまったような状態…

さて、今日ご紹介いたします曲はショパンのノクターン20番、遺作です。1830年に作曲されました。2002年に公開されたロマン・ポランスキー監督の映画『戦場のピアニスト』でも使われていました。この映画は、第2次大戦のワルシャワを舞台とした映画で、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの体験記をもとにして制作されました。多くのピアニストがショパンを弾きますが、今日はせっかくですので、シュピルマン御本人の演奏でお聞きください。https://youtu.be/n9oQEa-d5rU

あと9か月。

2001年12月6日木曜日。無宗教は最悪の宗教家?というテーマの授業が行われました。

大学の授業録の本を再び入手しました。最初に購買で買った本は祖父が持って行きました。

ある日、大学にいると、学科の友人が、僕にいうのです。「管理人くん、奥崎先生の本を買わないとならないね」。はあ、何のことだかさっぱりわからないのでしたが、購買へ行って友人に言われた奥崎先生の本を探してみたらありました!何と僕の意見が採用されて、その本に載っていたのです。

マイケル・サンデルがNHKだったかどこかで取り上げられて日本でも有名になりましたが、サンデルが有名になる以前から、サンデルがやっていたような授業を奥崎先生はなさっておりました。最初は苦痛で仕方なかった「東洋史概説」という授業なのですが、1年後には最も刺激的な授業だと痛感するようになり、翌年は違うタイトルの授業を履修し、さらに大学4年の時にはもう一度1年の時にとった東洋史概説を受けるということまでしていました。サンデルが学生と討論しながらそれに応えながら授業をしていましたが、奥崎先生は学生に授業の感想や先生の考えを超える意見を書かせ、4回目の授業でそれまでの感想意見をまとめ発表しコメントを加えるというもので、さらにそのまとめの授業でも感想意見を書かせるというものでした。しかし、これが東洋史なのか一体何なのか意味不明な授業な訳です。普通学生が東洋史といったら、チャイナの歴史を延々と聞かされることをイメージします。ですが、奥崎先生の授業一向にチャイナに詳しくなる気配がありません。チャイナの話から、アジアへ、世界へ、思想哲学へ、そして現在へと、一体何をしているのでしょうか。謎です。ですが、1年くらい経つと、奥崎先生の言っていたことがわかるようになるんです。でも、チャイナの歴史がわかるわけではありません!史学科の「東洋史の概説」という名目の授業としてはダメな授業のはずです!ですが、4年間の授業の中でも一番強烈なものでした。ボディーブローのようにきいてくるもので、この人が歴史を最もわかっている人なのではないか、そして僕が思っていた歴史学の限界を壊して、今辿り着いている地点に持ってきたのはこの人のせい(いや、「おかげ」と言ったほうが正しいですね)なのではないかと思います。

奥崎先生がご存命であらせられれば、86歳になられます。ゼミの先生は院にくれば博士号までは出してやるよ、とおっしゃっていましたが、そんなにありがたい先生を差し置いても、卒業時の謝恩会で御挨拶に伺おうと思っていたのは奥崎先生でした。いや、ですが、大学でいちばんの尊敬する、圧倒される方にそう軽々しく声を掛けられるかと思って結局お話しする機会を逃したまま卒業しました。ああ、もったいない。博士号も…

2001年12月6日木曜日。その日の授業のテーマは宗教だったか。その時の感想。「『ヘーゲルは国家の土台は宗教だ』と言った。マルキシズムにかけている宗教と日本にも欠けている宗教。この点で、日本は共産主義国とは一致している。果たして、日本が世界における精神退廃を阻しできるか?ヘーゲルから出たマルクスは、結局ヘーゲルには勝てなかった。〜』引用終わり。いや、授業中は急いで感想を書いたので、脱字や変換がうまく行ってませんね。精神退廃→精神的退廃、阻し→阻止ですねん。

ここで切られていたのですが、たしかその時の記憶を手繰り寄せると、省略された箇所の方が本人としては大切だと思って書いたんです。うろ覚えですが。マルクスは大手をふって世界を席巻し、不幸を撒き散らしたけれども、所詮はヘーゲルの理論の中で踊っていたに過ぎない!ということを書いていたような気がする。その時、ヘーゲルの何かを読んでたんだよね、たしか。

ですが、奥崎先生には引用された部分の方が重要だったようです。どこが引用されていようと、発表されることの方が嬉しかったので良かったです。まとめの授業でどんなコメントをしてくださったのか記憶にないのですが、不快な感情になったことはなく、楽しかった記憶があるので、まあ良かったのでしょう。

その授業録とでもいうような本を再びに入手して、パラパラとめくってみると、なんとまあ、当時の自分の頭の悪さを反省するしかないですね。今力を入れて勉強していることを、20年前に奥崎先生がお話しくださっているではないですか。

ちなみに本のタイトルは『日本の黎明』です。この本に挙がっている名前を見ると、アイツだとわかるのが楽しいですね。そして、本屋さんで手にすることはできないけれども、なかなか熱い内容の本ですな。なんで、ベストセラーにならなかったのだろう?もしかしたら、僕の名前、メジャーになりまくってたはずなのに。20年前よりは先に進んでいるはずだけれども、学ぶことのある本です。